心の鉦を打ち鳴らし

心の赴くままに過ごす ささやかな悦楽の日々

心の鉦を打ち鳴らし
心の赴くままに過ごす ささやかな悦楽の日々


東名高速の事故にみずからを重ねる

 東名高速道路でほかの車を無理やり停止させ、そこに追突したトラックで夫婦が死亡した事故で、容疑者の男が逮捕された。男はパーキングエリアでの駐車の仕方を注意されたことに腹を立て、追跡して走行妨害や進路妨害を繰り返したという。

 テレビでは事故の再現イメージや、この事故以外にもしばしば起きているという、実際の走行妨害や進路妨害の映像が繰り返し流されている。
 それらを見ていると、自分がそんな危険な運転や嫌がらせをされている当事者のように思われきて腹立たしくなってくる。
 実際に、あからさまにあおられたり、強引に追い越されたり、割り込まれたりすることが少なくない。
 いま乗っているのはハイブリッド車で、その時々の走行燃費がパネルに表示されるので、燃費に神経質になるとスピードが抑えられ、もっさりとした走りになる。この走りが一部のドライバーを苛立たせ、無謀で乱暴な運転をさせるのだろう。これまで乗っていたハイブリッドではない車では、こんなに頻繁にあおられたりすることはなかった。

 しかしよく考えてみると、自分もほかの車をあおることがある。
 強引な追い越しや割り込み、幅寄せ、急停止はさすがにやらないが、急いでいる時などはイライラして、前の車が遅ければ車間を詰めることが少なくない。
 さらに、危険な運転をする車やマナーの悪い車のドライバーを睨み、「危ねえなー」とか「邪魔だよ」と呟いたりする。窓を開けて怒鳴るようなみっともない真似はしないが、唇の動きはおそらく読まれるし、あえてそれを期待していないこともない。

 他人から受ける非常識には敏感な感受性を持っていても、他人の感受性に敏感であるとは限らない。
 無謀で乱暴な運転に怒りを覚えるのは自分だけではない。自分の余裕のない運転が他人を苛立たせ、怒りを抱かせていたかもしれない。運転を誤らせるような恐怖を感じさせていたかもしれない。今まで喧嘩沙汰にならなかったのも、事故に至らなかったのも、単に運がよかっただけかもしれない。今回の事故を教訓とし、自戒とする。

 亡くなられたご夫婦のご冥福を祈るとともに、残された2人のお嬢さんの悲しみが一日でも早く癒されることを願う。